2017.08.12 祖父が残した素敵な場所!ワインの香りの佇まい。
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(和室4帖と6帖と縁側、そして2階の小部屋を1つの大空間にしたリビング)

昨日から原稿作成中!文章制約が多いので全文を此処にアップ、整理する事にした。

題材は久留米市三潴で昨年完成した、大石建設様と仕事させて頂いた住宅改修の建物。

今は亡きクライアントの祖父は工専の教師、その祖父が70年前に自ら設計して建てた住宅が題材だ。
住宅はワイン工場で使われていた古材をリサイクルして建てられた。

参加させて頂いていた、石橋文化センターでの住宅展イベントに通りががりに寄られたのはクライアントのお母様。
一人暮らしをされていた祖母が施設へ入居され、空き家となってしまった実家の建物について相談された。

息子さん御夫婦が住居として使うのには、リフォームでいけるか、解体して新しく新築するのが良いかと言う内容。

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(吹抜け上部のロフトに造ったオープンライブラリー見上げ写真)

その相談は古い建築物の再生や歴史的建造物についての実績の多かった私の所にやって来た。

実際に建物を調査しないと、何とも言えないが、木造在来工法建物の古い建物に使われている木材の話や、以前に改修した建物の事例を踏まえて、仮にご実家の建物の素材が良ければ、新築されるシンプルモダンな建物よりずっと魅力的な空間が演出出来るような事をお話しして、直ぐにご実家の建物調査の日程を決めた。

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(オープンライブラリー)

現地調査には、相談者御夫婦と御子息(プロジェクトの クライアント)が立会われた。
建物内部は細かく区切られた和室が並ぶ暗いイメージの空間 そこにはワイン工場から引継がれたと言う如何にも丈夫そうな、露出した柱、梁そして2階床板が存在していた。

要所にクライアントの祖父の建物に込めたこだわりが見合隠れしていて、興味深く隅々迄目を通した。

現地調査しながら「これ、とても良いじゃないですか。 光が注げばとても魅力的な場所になりますよ!」と無意識に言葉が出た。

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(改修後の玄関周りの外観)

その後、既存建物の間取りを再現、1階の6帖と4帖の和室と縁側を一部屋に、その直上の2階部屋を無くし吹抜けとし、 南上部窓から光の入る大空間をこの建物に挿入する改修 案を提案。 小学校の教師をされている、クライアントの奥様が美大出身で、住空間に対しとても研究熱心であった事も手伝 いシンプルモダンのチープな空間より、既存の柱梁を露 出させた和モダンの大空間に共鳴され、この改修工事は 実現した。

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(改修前、現地調査時の現玄関周り写真)

祖父の想いのが籠り、ワインの香を封じ込めたこの建物の柱、梁の構造材は百年以上の歴史を経て、これから先 も新しい世代へと引継がれる事となった。

これは日本の木造在来建築の素晴しさを未来へ伝えてくれる貴重な事例なのかもしれない。

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