2015.12.30 大衆食堂で神業を観る!
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先日の事。福岡へ出掛ける用事があり、少し早めにオフィスを出た。打合せ場所すぐ近くの食堂、有名な繁盛店でスタッフのS君と食事を済ませることにした。

丁度お昼過ぎ、年末も重なりとても混雑している。
順番待ちの行列最後部は、店の玄関から遥か手前の駐車場中程でおおよそ一時間15分待ち。
それでも約束の時間にはギリギリ間に合いそうなので辛抱して並ぶ事にした。

決まったメニューしかなく客の回転は速い店、それでも一時間位でやっと店の中に入れ、それから20分程、座って待つ事になった。ただ待っているのも暇なので、店の中の店員さん達の動きを観察してみた。

店の中で順番を待つ行列は、入り口手前の方から30メートル程の奥の方まで窓側に設けられた長椅子にびっしり座って待つ状態。長椅子の間に2カ所、セルフの給茶器が設置され、待合長椅子の一番先に隣接して出口がある。食事をするスペースは待合長椅子前の通路を介して設置された店舗内をぐるりと回るカウンター席である。

一番奥のカウンターだけが独立した島になっていて、その中にこの店では一番年配と見える人、多分このお店の大将と思しき人がいて、オープン調理台に立てられたステンレス隔の内側で調理を作っている。

大将は彼の周りのカウンターに座る20人近いお客さんの注文を確認しながらテキパキと一人で調理を行い盛付け配膳担当の女性へと渡す。

店の席数は全部で60席ぐらいは有るだろうか。
1時間に4交代以上は有りそうだから、少なく見てもお昼の時間帯で600人。
客単価は安く庶民の味方の店なので800円強。するとざっとお昼だけで50万程の売上。
年2億の売上げかぁ!勝手にどうでもいいアホな皮算用する。

大将は複数のお客さんへの調理をしながら同時にカウンターの空きを確認している。最前列で待っているお客さんに「何名様ですか?四人以上の場合は御一緒が宜しいですか?」と声をかけ、数を確認しながら、帰るお客さんには「ありがとうございました!」と声をかけておられる。店の奥行き30メートル程の一番手前に三席の空きが出た。そして中央に二人の席、空き席は同時にバラバラの場所で発生していく。

店内のスタッフさん達にはピリピリした緊張感が走り、多勢のお客さん達の話し声でザワザワした店内の雑音を飛び越えるように「三名でお待ちのお客さま手前の方へどうぞ!」と通った声と一緒に手を上げて案内される。

と言いながら大将の上がった手は直ぐに調理台の方へ戻り、注文された具材を一つずつ丁寧に調理する様子が見て取れる。
注文の種類と数を瞬時に把握し確実に調理している彼の目は一瞬、気配を感じるフロアの方へ動き「ありがとうございました!」の声と共に空き席を確認。奥のカウンター前のスタッフから3つの席が空いたサインの三本の指が挙がるのを見逃さない。

大将の注意力は、複数の注文された料理を確実にこなし、食事が終わり立上がるお客さんの気配を感じ、待ちのお客さんの数を確認しながら誘導し、帰るお客さんには声を掛けている。スタッフの動きにも注意を払っている。全く隙のない動きにはとても余裕がありスローに感じられる程である。

そんな風に店内で待つ人60人、食事している人60人、スタッフは10名ほど、それら全ての要求を捌く大将の采配はまさに神業。

大将の集中力に見て取れるよう、ここの料理はリーズナブルでありながらクオリティが保たれ洗練されている。それと同様、店の隅々までゴミ一つ無く清潔感が保たれてる。少数のスタッフの無駄の無い動きも見て取れる。こんなに多勢の客で溢れかえっているのにである。

何の仕事も一緒。誰かが全体を把握し采配、そして隅々まで注意を払う集中力が無いと良い仕事は提供できないよなぁ!と思い知らされた。
あの大将、絶対人数を聴いた客の顔、殆ど覚えているに違いない。
何時も見るお客さんには「何時もありがとうございます!」と声をかけるのだろう。


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