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2013.08.27 世界遺産の今年度枠行方は


一つしかない世界遺産への登録推薦枠を、現在文化庁が推薦する「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」と内閣府が推薦する「明治日本の産業革命遺産」の二つが争う事態になっている。そのどちらかに来月決定される。

日本は2015年までの任期で現在、世界遺産の委員国だ。今年の推薦枠は日本が委員国在籍中最後の世界遺産認定枠となる。

この委員国在籍中最後の一枠を巡って、それぞれの思惑があるようだ。

「明治日本の産業革命遺産」とは元々、「九州・山口の近代化産業遺産群」から発している。幕末以降の近代化の歴史を、現存する遺産を鎖のように繋ぎ、九州山口の広範囲のエリアを世界遺産とし登録しようとするものだ。
アジア圏で何故日本だけが短期間に近代化を果たせたか?
元々日本が持っていた在来知による高い技術力プラス西洋からの積極的な技術導入により、重工業を確立、技術立国を果たした歴史ストーリーを顕彰するものである。

この日本の近代化については、明治日本の産業革命遺産として戦後の歴史認識問題とは距離を置いている。しかし日本が世界遺産委員国である内、即ち今年の推薦枠に入り2015年に登録を受けないと、世界遺産への道は絶望的なのである。

対中国、韓国において歴史認識問題が存在するとの主張から彼らが、政治的に関与してくる可能性が大きいからだ。今年の枠を逃すと委員国でなくなる日本が近代化産業遺産を世界遺産に挙げることは永遠に不可能なのだ。

もう一つの「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」については、前年見送られ、再度のチャレンジである。文化庁の指導を仰ぎ、長崎県と市は多額の費用をつぎ込んできた。引くに引けない事情がある。

キリシタンへの弾圧と今も続くキリスト教の歴史は、日本においては貴重で価値のある歴史だ。しかし世界にはもっと素晴らしいキリスト教遺跡が沢山ある。
今回の教会群の遺跡は、果たして人類の顕著で普遍的価値のある世界遺産として相応しいだろうかと言った疑問が残る。推測でしかないが、日本が委員国の時に通してしまおうという魂胆なのかわからないが、イコモスで撥ねられる可能性が大きいのでないかと推測する。

近代化産業遺産については、地域バランスの中でアジア圏に無い近代化産業遺産をと海外から出た話と聞いている。日本国内専門家委員の半分はイコモスに影響力の強い外国人世界遺産専門家委員が務めているようだ。

2015年登録世界遺産の行方は、わからない。
是非、日本全体が元気になれるような方向で採択されるよう、ただ願うのみである。