2008.08.29 家相について
家相についての要望や疑問が、私達の計画には何時も付きまといます。
家相の表にはトイレの位置、浴室、台所等水廻りの位置については細かく記されています。
どうして家相が悪いのか、と紐解いていくと、その根底にあるのが、昔の生活習慣から日本の風土建築様式に見事に合致した合理的な決め事なのだと言う事が解ります。根本の思想は日本の気候風土の中で”安全に明るく健康に暮らせる”ことです。
換気設備や空調設備のない時代、水廻りの場所決めは、空気が淀む事で木造の構造体が腐ったり、虫が付いたりしないため建物を維持していくための重要な要素でした。
水の場所が、風通しの良い乾燥しやすい場所にある事が住居の寿命を大きく左右する問題だったのです。最も湿気の多いお風呂の位置が北東にあることは、お昼は影になり、夜は北風で火災になりやすいこともあり大凶とされていました。
そういう事でお風呂場やトイレ等は、建物から離し、風通しの良い湿気の溜まらない場所に位置させていた習わしから来ているのです。
現在のライフスタイルで、建物の中に水廻りを取込み導線や生活の利便性を重視した現代住宅建築に昔の習わしである家相のみを無理に計画に取込み、日常の生活に支障をきたすプランをつくる事の方がかえって悪い家相を創ってしまうと言えるでしょう。”安全で明るく健康に暮せる”間取りこそが現代の良い家相と考えるべきです。
習わしをそのまま当てはめる事で無く、根本的な思想を現代生活の中に引継ぐ事が本当の意味での継承なのだと思います。