2007.03.03
古いものと新しいもの

蔵改修スケッチ
最近は、文化遺産的古い建造物の改修やそれと対比した建築物の計画が比較的増えて来ました。築100年程経つ建物を元の姿に戻す事をNPO活動で経験して以来、現在の作り手の考え方と違う、過去に活躍された職人達のものつくりに対する心の豊かさを感じるようになりました。和小屋組み大屋根の梁に曲がりくねった松の丸太を複数使った酒蔵で、ジャズイベントをした事があるのですが、まさに大蛇が屋根の下で踊っているように見えるのです。現在は自然の形を自分達の都合で、直線に加工し組みあげて行くのでしょうが、丸太のしかも縦横に曲がりくねって絶対に使えないと思うような木材の自然な形を尊重し、その形に敬意をはらい屋根の下に宙に浮くように納めていった職人達の感性に感動するのです。4m程の直線で伸びる6寸程の連続柱とその間に納まる左官土壁の上には、自由に踊るような松丸太の大きな梁が縦に横に3次元空間を演出するように存在するのです。各テーブルに置かれた蝋燭の炎が天井を、ぼーっと照らし音楽と観衆の熱気を映すよう微妙に動いて見えるのです。歴史を感じさせるテクスチャーは、現在使われる新建材とは違い、私達の心に語りかけてくる何かがあります。だから今後もライフワークとして先人が残してくれた遺産に関わって行きたいと思うのです。
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